法   要

−神式の忌明けの法要の営み方は?
●自宅に神職を招いて行う
神職の到着
   神職を別室に招き,茶菓などでもてなします。ひと息ついたら祭壇へ案内し,式年祭を行います。神職が入室したら一同は礼をして迎えます。
式年祭
   神職の献饌,拝礼,祭詞,玉串奉奠があり,参列者の玉串奉奠が,血縁の深い順に行われます。近親者が饌を捧げ,拝礼して,式は終了。会食の席に移って参列者をもてなします。

−キリスト教式の忌明けの儀式は?
●カソリックでは祥月命日に追悼記念のミサを行う
   毎年の祥月命日は追悼記念のミサを行い,とくに一年目を盛大に行うことが多いようです。
   ミサは教会で行うのがふつうで,遺族や近親者のほかに,友人なども自由に参列します。式次第は,葬儀のときとほぼ同じで,ミサのあとの茶話会などを開き,故人を追悼します。茶話会は,教会の別室あるいは自宅などで行います。
●教会へのお礼には「ミサ謝礼」と表書き
   この謝礼は,教会への献金の意味ももつもので,とくに金額的な基準はありません。各人がふさわしい金額を包みます。
   「ミサ謝礼」とは別に,神父個人に「御礼」を包むのがふつうです。
●プロテスタントでは故人の命日に記念式を行う
   故人が亡くなって数年間は,一年ごとに故人の召天日(命日)に記念式を行いますが,なかでも最初の記念式は,葬儀でお世話になった人や仕事関係者なども招き,式の規模はやや大きくなります。
   式は,自宅や墓地で営むこともありますが,ふつうは教会で行います。自宅の場合は,個人の遺影と花を飾った祭壇を設け,牧師を招いて,祈りと説教をしてもらいます。
   参列者全員で祈りを捧げたあと,個人を追悼する茶話会などを催します。
●教会への謝礼は「記念献金」と表書きを
   謝礼は教会への献金で,表書きも「記念献金」とします。また牧師個人に「御礼」と,教会外で行った場合は「御車代」も別に差し上げます。
   また最近は,参列者にお礼の品を「志」と表書きして贈ることもあります。

−仏式の年忌法要は?
●三十三回忌まで行い,弔い上げとする
   仏式では,一周忌だけは満で数え,死亡した翌年の命日に一周忌の法要を行います。つぎからは死亡した年も入れて数え,満二年目に三回忌を営みます。以降七,十三,十七,二十三,二十七,三十三,五十,百回忌となります。百回忌のあとは,五十年ごとに法要を営むのが仏式のしきたりですが,地域によっては,二十三と二十七回忌のかわりに二十五回忌を営んだり,宗派などによっては,五十回忌で弔い上げをしますが,一般的には三十三回忌で弔い上げをする例が多いようです。
●法要は祥月命日に行う。日をずらすときは繰り上げる
   故人を弔うのが法要ですが,参列者の都合を考えて,休日にずらして法要を行うことが多くなっています。この場合,繰り上げて行うのがしきたりです。
●一年に二つの法要が重なるときは早いほうの命日で
   同じ年に二つの法要が重なるときがあります。これらをあわせて営むことを「併修」と言い,早いほうの命日に合わせるようにします。ただ七回忌くらいまでは,できれば併修を避けたいものです。近い月ならばともかく,離れているときは,できれば別々に行ったほうがよいでしょう。併修にするときは,菩提寺とよく相談をし,お布施も多く包むのがマナーです。
●年忌法要の年がわからなくなったときは菩提寺に
   年忌法要は,間違いなく営みたいものですが,つい年がわからなくなることもあります。そのときは,菩提寺に問い合わせると教えてくれます。また最近では,菩提寺のほうから事前に通知してくれるところもあります。

−神式やキリスト教式は?
●神式では十年祭までを盛大に行う
   一年祭のあと,三,五,十年祭を行い,その後は十年ごとに年祭を営むのが習慣です。多くの場合は,十年祭までを盛大に行っています。
●キリスト数式ではとくに決まりはない
   一般的にカソリックでは,一,三,十年などの区切りのいい年にミサを行います。また,毎年十一月二日の「万霊節」に追悼ミサが営まれます。プロテスタントでは,死亡してから数年間は一年ごとに記念式を行いますが,どちらも特定の決まりはありません。遺族をはじめ神父や牧師さんの方針で,故人を偲ぶ記念式や追悼ミサが行われています。
   ミサや記念式には,近親者や友人・知人なども列席しますが,とくに改まったもてなしをする習慣はありません。